2025/12/12
オンライン署名「駅ホーム中央への点字ブロック敷設」
ごきげんよう。今回はサロンとはほぼ関係ないのですが、視覚障害当事者団体の理事として触れたい当事者の動きについてこちらのブログにも書いておきたいと思い、まとめることにしました。
このブログにそのままURLを記載しても直接そちらに誘導することができないので、ブログを読んで賛同していただける方はURLをコピーして、ブラウザに貼り付けて利用していただければと思います。
以下は自分が個人のFacebookに掲載した自分の思いと、その下にオンライン署名実施社である日本弱し者ネットワークからのお願いの文章です。
それではまず自分の文章から。
超長文です。ただ時間を無駄にはさせませんのでご一読いただき、こういうことを考えていただけると嬉しいです!
自分なりのこの投稿の結論を先に書くと、
1.視覚障害者の駅利用の安全性確保のために、ホーム中央に点字ブロックを敷設することを求めるオンライン署名活動の拡散です。署名の拡散はしますし、同じく拡散していただけると嬉しいですが、日野沢からは署名を求めることはいたしません。重ねて長文となりますが、読んで、考えて、未来がどうなった方がいいか考えていただき、ご賛同いただけたならご署名ください。
2.自分は署名しました。ホームの中央に点字ブロックを敷設することに、自分は賛成です。敷設に多くの課題がありますが、自分はデータを支持します。
3.自分はこの問題の最終論点は「慣れ」にあると考えています。視覚障害当事者の中でも賛否分かれる話題ですが、「慣れてる駅だから落ちる」、「慣れてない新しい設備で混乱するから落ちる(かもしれない)」といった慣れという個人のこだわりで議論を続けるような煮詰まった状態になりました。あとは当事者を中心とする社会の賛同者の数でどちらが妥当か決める他ないのかなと思います。
それではスタート
駅のホームでアナウンスされる「黄色い線の内側へ下がって…」という点字ブロック、あれのマニュアル的な説明をすると、
「ホームの端がどちらか示す警告ブロック」
です。線路側の大部分は点々、警告ブロックという危険や障害物、方向転換を示す一時停止推奨のブロックで、ホームの内側に1列だけ線状の突起があります。この線状の方が「こっちがホームの内側ですよ、こっち側に入ってくださいね」ということを示しています。
つまり、あの線は設置のガイドライン上(設備の管理者、鉄道業者としては)、あれに沿って視覚障害者がホームを移動することは想定されていないのだそうです。
視覚障害者の歩行のセオリーとして、ホームでの移動は最小限にするというのがあります。大体の歩行訓練で教わります。 が、セオリーであってそうできない場合もたくさんあります。乗車駅と降車駅の階段やエレベーターの位置関係によっては数十メートルの移動が避けられない場合は決して少ないケースではありません。女性占領車両とか利用したかったらホームの端まで歩かなければいけませんし、大体にして初めて行く駅の階段とかエレベーターの位置とか…ね………。
そういった意味で、我々視覚障害者がホーム上で、辿って移動できる安全な設備というのは(ホームドアを覗いて)現状存在していないということです。
ただホーム中央に長軸方向に点字ブロックを敷設することにも課題がたくさんあります。
・柱とかベンチとか売店とか、既に中央にある設備、変えられない設備もあるじゃないか
・点字ブロックは視覚障害者にとっては必要だけど車椅子やキャリーケースやハイヒールやベビーカーの方にとっては障害になるんだ
視覚障害者を抜きにしても社会全体に関わってきます。
視覚障害当事者の間でも賛否があります。
「今までなかった中央の点字ブロックに慣れてなかったら混乱する。間違って落ちたらどうするんだ」
この辺はまあ、何に慣れているかですよね。生命として、環境変化への適応力が試されます。
自分は6日に一人も転落している現状の設備をより安全な環境とし、安全な設備での利用に慣れていくというのがいいんじゃないかなと思っています。
日野沢も実は東京で2階ほど落ちたことがあります。それこそ、どちらのケースも本来は辿って歩くことを想定していない線を辿って歩いているときに、自分の不注意で落ちたり通勤ラッシュ時間帯の不注意者に弾き出されたりなどです。
母校、筑波大学附属視覚特別支援学校の最寄りえきである有楽町線護国寺駅にはホームドアもありますが、中央の点字ブロックもあります。落ちた時感じたのは、「護国寺駅のあれって当たり前に踏んで歩いてたけど足元に無意識の安全を作ってくれてるってありがたかったな」ということです。
擬似ホームを使った模擬実験ではやはり中央に点字ブロックがあった方が安全(事実)で安心(被験者の感覚)な移動が観測されたというデータが存在します。 視覚障害当事者団体の役員として、当事者の生の声を拾って考えることと同時に、こういったデータに基づいた立場でいたいと思っています。当事者が割れている以上、自分の経験とデータが自分の中では優勢かなーとなっています。
本当に難しい問題です。人命に関わる問題であり、早急な対策が必要だと思います。
現在進んでいるホームドア設置という対策の完遂は何十年も先です。点字ブロックなら、それと比較すればですが、もっと早く、っけいざいてき負担も小さいです。
当事者として微妙な天秤の傾きを見るような問題です。皆さんにも考えていただければと思います。
日野沢のお話はここまで。以下は署名を求める引用です。
日本弱視者ネットワークとして掲題の署名活動を行っております。
賛同いただける方は下記リンクよりご賛同お願いします。
なお、署名の趣旨を文末に貼り付けます。
https://c.org/QfRm8BF8Mw
視覚障害者の命を守るために、駅ホーム中央に点字ブロックを!
署名活動の主旨
■ 現状と課題
過去10年間でホーム転落事故は611件発生し、そのうち20名の尊い命が奪われました。
これは6日に1件の割合で事故が起きている計算であり、転落率は一般の約9倍にのぼります。
■ ホームドアや駅員対応では不十分
ホームドアは最善の策ですが、2025年度時点で、設置されているのは、全国約20,000番線のうち、約3,000番線。
今後も毎年200番線ずつの設置にとどまります。
駅員に案内を求めても、全国の半数は無人駅です。
■ 問題の本質:「ホームの真ん中を安全に歩けない」
バリアフリー整備ガイドラインでは、誘導のための点字ブロックは階段から最寄りの車両のドアまでは敷設されているのですが、それ以上の移動は想定されていません。
しかし、乗車駅と降車駅で階段の位置が異なれば、必ずホーム上を歩く必要があります。
国土交通省の調査によれば、全事故の63.5%が、線路と並行に歩いているときに転落しています。
具体的な転落ケース:
① ホーム中央を歩行中に斜めに進んでしまい転落。
② ホーム端の警告ブロック沿いを歩き、人や柱を避けるために外れて転落。
■ ホーム中央の点字ブロックの効果 横断歩道のエスコートゾーンと同じように、ホーム中央に線状の点字ブロックがあれば、中央を安全に歩行可能。
斜めに歩いてしまうリスクも軽減できます。
■ よくある懸念とその解消
『中央には柱や待合室があるのでは?』
→ 柱や待合室は「ランドマーク」として、自分の位置を把握するのに役立ちます。
『ホーム端の点字ブロックと誤認するのでは?』
→ 誘導のための線状ブロックと警告のための点状ブロックは触感が異なります。
■ 目指す社会と呼びかけ
私たちは、視覚障害のある人が一人でも安心して移動できる社会を目指しています。
これは単なるバリアフリーの話ではなく、命を守るための不可欠なインフラです。
「駅で命を落とさない」という当たり前の安全を、すべての人に届けるために、どうかご賛同とご署名をお願いいたします。
【参考】
リーフレット「私たちはホームのどこを歩けばいいの?」
(日本弱視者ネットワーク)
https://jakushisha.net/teigen/idou.htm#platform_safety_leaflet
「ホーム転落Q&A」
(ホーム転落をなくす会)
https://www.stoptenraku.com/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0%E8%BB%A2%E8%90%BD-q-a/
「新技術等を活用した駅ホームにおける視覚障害者の安全対策について(中間報告)」
(国土交通省)
https://www.mlit.go.jp/common/001426521.pdf
本文ここまで。